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ミツクニ
ミツクニ
安中市に生息

2021年06月18日

無茶振りとお茶け






No.8

本文
第一エンジニアリングに入って、1年か2年経って鹿島へ工場を作る事は簡単でないことがわかってきた。いつまでも丁稚奉公ではしょうがないと言うので、正式に社員になり給料をもらえる様になった。
赤津社長にやった事もないことを良く言いつけられた。
お客の工場に行って、一人で火災報知器の点検をしてこいとか、足場屋に足場を借りて、倉庫の天井の電灯を職人と2人でつけてこいとか。
火災報知器の点検とか、今は現場で見てわかるけど二、三人でやってるじゃ無いですか?何も知らない、やった事もなくて、心細いったら無かった。
足場だって、今でこそ専門家でどんな高い、大きな足場でも問題ないが、ローリング足場なんてものの存在も知らない人間が、リース屋に行って、会社のそれもトラックでなくワンボックスのエルフに無理矢理乗せて現場まで運んで、倉庫の天井に届く様に、5段9mを組んだ。高いところは怖くはないが、控えもなしの一列5段は上に乗るとフラフラして、怖かったのを覚えている。とにかく色々やった。
内職周りもやった。自転車部品を袋に詰めて、ヘッダーをホチキスで留める内職を、近所の内職者の家を回って置いてくる。
団地の奥さんや、煙草屋のおばあさん、お店が暇な時にする人。
梱包の定年上がりのおじいちゃんが割り振るのだが、運転が出来ないので、私がエルフのディーゼルを駆って、一緒についていく。
内職は、何円何十円の安い仕事だが、割りの良いものと悪い物がある。何回か一緒についていくと、割りの良いものを充てる人は、いつも同じ事に気がつく。
その家では、お茶でなく透明な飲み物がコップに入って出るのだ。
一個何円の仕事でも、人間の機微を見た気がした。




Posted by ミツクニ at 19:14│Comments(0)
 
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